シンセンなキモチ???

数年前の話になるが、とあるキッチンメーカーのカタログ写真の撮影の時のこと。お母さん役のモデルと子役モデルの女の子(8歳)がからむシーンで、
カメラマンA氏「じゃあ、またママとお話しいっぱいしようかー、新鮮な気持ちでね」
子役B子ちゃん「えー、シンセンってわかんなーい。ヤサイならわかるけどぉ」(場内笑い)
私は唸った。そしてドキッとした。なるほど、彼女は「新鮮な野菜」はわかるけど「新鮮な気持ち」という言い方は理解できないのだ。
考えてみれば「新鮮な気持ち」って何だろう? 大人はとかくこの手の言い方をしてお互いにわかったような気がしているけども、ずいぶん曖昧な物言いだよなあ。こういう実体のない、人を煙に巻くような表現と同様に、カタカナ言葉も日本語にない概念を表す場合が多いので、人によってちがう意味合いで使っていてもなんとなくわかったような気になって流通していることが多い(というかほとんどそう:笑)。この子役B子ちゃんのひと言で、そんなことをいろいろと考えさせられたのである。
以上、ずいぶん以前のエピソードだが、自省の意味もあって時々思い出すようにしている話をちょっとご紹介しました。