20数年前の思い出、100年前の暮らし 〜同窓飲み会とアルベール・カーンコレクション写真展

あー、ついに来ました花粉症。近所のアレルギー科の医者(私は仙人と呼んでいる)の言うことを聞いて、今年は正月6日から点鼻薬と体質改善用目薬を欠かさず励行してきたのですが、先々週あたりから目が痒くなり、薬を変えたのも功を奏すことなく今日も目が痒すぎ! 鼻が出ないのがせめてもの救い。はあ〜、まだ1ヵ月以上続くのですね、この苦行。とほほ。

そんな目カユにも負けず、この土曜日には、昔勤めていた職場のOB/OGと銀座で飲み、旧交を温めてきました。皆さん現在の職業はバラバラで、一人はコンサルタントでイベント会社の経営者、一人は銀行員でファイナンシャル・プランナー、一人は金融・経済関係のジャーナリスト、そして一人はコピーライターという構成。これが当時は同じ職場(会議系イベント会社)で働いていたのですから、人生というのは不思議なものだと感じます。当時はみんな20代。しかも、いわゆるバブル期でしたので、現在では考えられないような無茶苦茶な思い出話が次々に飛び出します。テレビや広告業界には及ばずとも、この時代のイベント業界も武勇伝には事欠きません。それにしても、こうして何年たっても思い出を共有して馬鹿話をいろいろできる人たちがいてくださるのは、本当にありがたい。過去に接点のあった皆さん、どうか私のために、これからも健康に気をつけて長生きしてください(笑)。そうそう、途中で、最近大阪から東京に単身赴任で舞い戻ってきたK君(私と同期入社組:彼はいまもイベント業界で活躍中)の話題になり、いきなり先輩のOさんが彼に直電。この昔の先輩からの呼び出しには、地元・品川区旗の台のスーパーでビールとタマネギとニンジンを買って今まさに家にたどり着くところだったK君も逆らえず、きびすを返して買い物袋を手に銀座に急行、他のメンバーと20数年ぶりに再会を果たしました。お疲れ様! ……ところで、あれ鍋の材料?


そして翌日曜日。横浜の本郷台という駅の前にある「神奈川県地球市民かながわプラザ」という会館に、写真展「 The Archives of the Planet 100年前の世界〜アルベール・カーン 平和への願い」を見に行きました。フランスの銀行家で大富豪だったアルベール・カーン(1860-1940)は、世界中の民族や文化を記録しようと、当時実用化されたばかりの持ち運び可能な天然色写真機(オートクローム)を複数のカメラマンに持たせ、世界60ヵ国に派遣しました。各地の人々の暮らしや衣装、風俗などを大量に撮影させたのですが、その写真のうち150点と映画が展示されています。
このアルベール・カーン写真コレクションのドキュメンタリーが昨年NHKで放映されたのを見て興味を持ったのですが、今日その資料的価値を再確認しました。ほぼ100年前の写真ですが、モノクロではなくカラーなので写真の中の人物がまるでそこにいるかのようなリアリティが感じられます。また、各国の民族衣装が記録されていて、その色合いやデザインの美しさ、多様性、現在にも通じるかっこいい着こなしには驚くばかり。服飾関係の研究をしている方には大変貴重な資料ではないかと思います。
100年前にも花はやはり美しく咲き誇り、子供たちはかわいらしく、毎日の暮らしはそれぞれの街で、田舎で、世界中どこでも変わりなく進んでいたのだという、至極当たり前のことを改めて実感します。そして第一次世界大戦の戦時の様子の記録としても、大正時代の日本の記録としても歴史的な価値がある資料だと思います。3月13日(日)17時までの開催ですが、お近くでご興味のある方は足を運ばれてはいかがでしょうか。
http://www.k-i-a.or.jp/plaza/project_exhibits/exhibits_kahn/
それにしても、私が子供の頃は100年前といえば幕末とか明治の初めだったのに、今から100年前となると1911年なのですね。うーむ、そうだよ、あの当時、日本最高齢と言われていた泉重千代翁、たしか慶応年間生まれだったものなあ。