和歌山帰省、そして念願の山田風太郎記念館へ

この週末、亡き父の命日ということもあり和歌山の実家に帰省し、墓参りと父の遺品の整理などをしていました。和歌山といっても昔住んでいた市内ではなく、お隣りの岩出市というところなので帰省しても関西空港や大阪と岩出の往復だけで終わることが多く、昔懐かしい和歌山の街に寄ることはあまりありません。本当は同級生たちとも旧交を温める時間があればよいのですが……。
そんなことで帰省のついでに、この機会にと和歌山に行く前に兵庫県養父市関宮というところにある「山田風太郎記念館」に立ち寄ることにしました。じつは私も妻も希代の天才小説家である山田風太郎氏の大ファンでありまして、前々からこの風太郎さんの生まれ故郷にある記念館に行ってみたいと思っていたのであります。
しかし、立ち寄るというには、あまりにも、あまりにも遠い場所でした(笑)。新幹線で京都まで行き、京都から山陰本線に乗り換えて1時間半、福知山で特急を乗り換えてさらに30分ほど行ったところにある「八鹿(ようか)」という駅で降り、全但バスに乗り田舎道を約30分、「関宮(せきのみや)」というバス停で下車、そこからほど近い場所に記念館はあるのですが、ちなみに、横浜の自宅から最速で6時間20分(汗)。かなりの遠地です。鳥取との県境近くのこの町はまわりを山で囲まれ、非常にのどかで静かなところ。昔ながらの土壁&瓦屋根のお宅が並んでいます。風太郎少年もこんな景色を眺めながら、創作欲を湧かせていたのでしょうか。
こうして朝早起きして旅費と時間をかけて行った記念館ですが、その内容は本当に行ってみてよかった!と思えるものでした。 少年時代のノートや絵はもちろん、お母上のお手製の(とても趣味のいい)衣服が非常に保存状態よく残っていたり、忍法帖シリーズや推理小説など数々の傑作を生みだした机や、直筆原稿、『警視庁草紙』のアイデア帳、愛用の着物や服など、ファンなら垂涎ものの展示品が小さな記念館の中にいろいろあります。できることならば、一日中でも見ていたいところでしたが何しろここから和歌山に移動しなくてはいけないので、泣く泣く後にして、近くにある生家を外から拝見したあと、また延々とバスに乗って再び八鹿駅へ戻り、復路は播但線で姫路まわりに神戸〜大阪〜天王寺〜和歌山(紀伊)へ。山田風太郎記念館、首都圏からはあまりに遠いため、再訪するかは微妙ですが、東京などに巡回展をやっていただければ絶対に見に行くけどなあ。
山田風太郎記念館のホームページはhttp://futarou.ez-site.jp/


その帰りの全但バス(平日の昼間のせいか乗客は私たち夫婦の他は2名)の座席に興味深い落書きを発見。これは、モハメッド・アリの名文句ですね。Float like a butterfly, Sting like a bee (だったかな?)このあたりの学生が書いたものでしょうか……けっこう、ナイス。