ショック…背番号19が…
小林繁さんが亡くなった。ショックだ。ボクが一番好きだった時代の阪神タイガースのエースだった。2段モーションにも見える独特のサイドスローからキレのあるストレート、シンカーを真っ向から投げ込んでいく、エースという名にふさわしい投手だった。
あれは81年のオフだったか、ボクは当時大阪の伊丹空港の隣に住んでいて(住所は大阪府池田市空港二丁目!)、ハワイのマウイキャンプから阪神タイガースが帰国する便の情報をスポーツ新聞でキャッチし、到着ロビーで「出待ち」していた。そのシーズンに新人で大活躍した中田良弘投手と小林投手の人気者男前二人は凄まじい女性ファンの嬌声の中、あれよあれよという間に疾風のように出ていった。ほとんど背中を一瞬見ただけだった(あとから出てきた佐野選手や益山投手を間近で見たし、藤田平選手には握手してもらったけども)。とにかく当時は現在のダルビッシュのような大変な人気者だったと記憶している。
さきほどNTVのスポーツ番組で、江川卓氏が例の日本酒のCMの放映されなかったロングバージョンの映像とともに小林さんとの思い出を語っていた。あの「空白の1日」の当事者二人によるCMは久しぶりに広告の力を感じた素晴らしい企画だった。あまりに早すぎる死だが、あのCMがあったおかげで何か救われたような気がする。
あのトレードの日、小林投手は「同情はされたくない。プロだから移籍してからの成績で判断してほしい」と言って、その年のシーズンに22勝(!)し最多勝・沢村賞に輝いた。そして衰えを見せる前に31歳で突然の引退。まさに天下一のスタイリッシュなピッチャーだった。ご冥福をお祈りいたします。