苦行
先週の飛び石連休は亡父の三回忌のため帰省した。ふだんは飛行機か新幹線で帰るのだが、一度くらいは高速道路休日割引の恩恵にあずかろうと、土曜の朝5時30分クルマで横浜から和歌山へ向かった。……しかし、である。何度かクルマで帰った経験はあるものの、オッサン化の年波には勝てず1時間半ごとに眠くなる。これにはまいった。何度かサービスエリアで仮眠をとりつつ、和歌山の実家に着いたのは16時。そして実家でまた仮眠。まったくもってトホホである。
さて、翌日の三回忌法要。いつもお願いしている坊さんは非常にマジメというかなんというか、毎度お経が超・丁寧でして……。三回忌に集まった親族13名がずらりと居並ぶ仏間。昼過ぎ、豪雨のなか予定時間より30分早く現れた坊さんは、袈裟に着替えると前置きもそこそこにお経を開始した。親族間では事前に「まあ、いつも長いから30分から45分は覚悟せんといかんな」と話しあっていたが、この日のお経は三回忌のサービスなのか、いつにもましてロングバージョンだった。お経が進むにつれ参会者の疲労の色が濃くなり、しきりに足の位置を直す仕草があちこちで聞こえる……。1時間近く経ったところでようやくお経は終わった。ホッと安堵の空気が流れたところで坊さんから驚愕のひと言
「では、ここで少し休憩入れましょか」
仏間に何とも言えぬ緊張が走る。そのとき背後で、「ドタタタター!」とすごい音が! どうやらお茶を入れに立ち上がったヨメが廊下との間の敷居に足をとられコケたらしい(彼女は足首を捻挫した)。私は私で座り疲れで大腿骨の周辺が悲鳴を上げている。腰痛を再発させた伯父、肩が凝りまくった従姉妹、その他足が痺れて難儀している親戚多数…。負傷者続出。野戦病院か、ここは。結局、クラシックのコンサートさながらの二部構成で進んだ読経は1時間30分に及び、さらにありがたいお説教が10分、あわせて1時間40分の大公演と相成った。坊さんが帰ってから腰を痛めた伯父は「長いの、もういらん言うとけ!」と怒り出す始末(笑)。このドタバタの様子を亡き父はどこかで見てクスッと笑ってくれただろうか。
帰りは翌日、京都に眠る友の墓所に参り、ついでに三条京阪の六曜社に寄って珈琲とドーナツ(これ大好きですねん)を食し、京都東から新名神→東名阪→伊勢湾岸→東名で予定通り11/3の祝日にかかる時間に横浜青葉に着。和歌山〜京都より、京都〜横浜の方が半分くらい安かった。なんか不思議。