2017ベストアルバム

2018年が来ました。皆様新年明けましておめでとうございます。
相変わらずの気ままな更新を続けておりますが、本年もよろしくお願いいたします。

さて、去る2017年は例年にもまして豊作の年でした。10枚に収めることがほぼ不可能になってきましたので、ベスト3+13枚ということでよろしくお願いします(何をや?笑)。
大急ぎで簡単なコメント付けましたが、乱文ご容赦。


(最初にお知らせ)
12/20発売 月刊ラティーナ2018年1月号の「2017年ベストアルバム」選に参加させてもらいました。一般リスナーの視点から南米系を中心に厳選10枚、2017年の愛聴盤を紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。各種インタビュー記事も興味深いラインアップです。 latina.co.jp/index.php?main…

(左上→右下へ順に1〜16のアルバムに対応します)


1 Rebecca Martin & Guillermo Klein / The Upstate Project

ギジェルモ・クレインの作品をここ数年重点的に聴いてきたのですが、その新作として入手したこのアルバムがじつにいい。曲はフォーキーでシンプル、一聴すると地味、鬱っぽい雰囲気すら感じますが、このダウナーな調子が妙に癖になる。気がつくと何回転も聴いている。この中毒性は何だ? 2017年の気分に優しく触れる音がそこにはありました。きっとこれからも聴き続ける大事な作品になりそうな予感がします。レベッカ・マーティンのアルバムもこれから順に聴いていくつもりです。

2 Guinga + Quarteto Carlos Gomes / Avenida Atlântica

ブラジルのベテランギタリスト&作曲家のギンガの新作。ストリングスとの共演。そのゴージャスな音にメロメロになりました(静かなる興奮が止まらない!)。

3 Kurt Rosenwinkel / Caipi

2017年に行ったライブの中でもカート・ローゼンウィンケル(g, vo)、ペドロ・マルチンス(g, kbd, vo)、フレデリコ・エリオドーロ(b, vo)、アントニオ・ロウレイロ(perc, vo)、オリヴィア・トルンマー(p, kbd, vo)、ビル・キャンベル(ds)のスーパーバンドCAIPI BANDの感動は忘れられません。このアルバムはジャズのギター皇帝とブラジル・ミナスの若き才能達が奇跡の融合を果たした画期的な作品と言えましょう。


4 Nai Palm / Needle Paw

ハイエイタス・カイヨーテのVocalistの初ソロアルバム。ギター一本の弾き語りという形態ですが、ボーカルを多重録音して生まれる複雑なハーモニー、そこにセミアコースティックギターがリズムを刻むというユニークな音づくりになっています。20代前半のネイ・パーム、ジミヘンやデヴィッド・ボウイの曲などもカバーしていたり、彼女の音楽的な懐の深さも強烈に感じます。もっとじっくり聴き込んで、このアルバムの新しさの正体を突き止めたい気持ちになります。

5 Petros Klampanis / Chroma

なぜベーシストの作品はこんなにトータルアレンジが素晴らしいのでしょうか。ストリングスの入り方が素敵すぎてマイソウルが骨抜きになります。

6 Vitor Araújo / Levaguiã terê

ブラジルの若き作曲家・ピアニスト・アレンジャーの新作(2016年作)。大編成のコンボを指揮しつつ、打ち込みや電子的サウンドエフェクトやパーカッションも交え壮大な実験色の強い音楽を作り上げています(2枚組!)。聴いたことがないスケールです。

7 Alexandre Andrés & Rafael Martini / Haru

アレシャンドリ・アンドレス(fl, g, vo)とハファエル・マルチニ(p, kbd, vo)のライブ(初来日)も個人的には2017年の大きな事件でした。ハファエル・マルチニがあんなに歌える人だとはライブに行くまで知りませんでした。素晴らしいコラボレーションの記録。

8 ギルマ・ベイェネ&アカレ・フーベ / 復活!エチオ・ポップのゴッドファーザー  Girma Bèyènè & Akalé Wubé / Ethiopiques Vol.30 - Mistakes on Purpose

なぜエチオピアのポップスは日本の音楽と似ているのでしょうか。私はこのアルバムを聴いてCKBを思い出しました。1曲目のかっこよさがわかる人とは友達になれそうです(笑)。

9 Pablo Passini / Videotape

アルゼンチン出身でブラジルでも活躍する作編曲家・ギタリストのサードアルバムで、いまバリバリのミナス系ミュージシャンがバックで演奏。南米とかブラジルとか関係なく、ジャズやロック、プログレなどの音楽ファンにも聴いてもらいたい作品。ちょっと懐かしいギターとミニマルなかっこよさ!


10 伊藤ゴロー アンサンブル / アーキテクト・ジョビン

とにかく素敵です。音がいいです。ジョビンの曲の素晴らしさがまた再認識できます。とにかく聴いてください。

(ここまでは月刊「ラティーナ」2018年1月号に掲載された内容と同じです)

11 Jun Miyake / Lost Memory Theatre act-3

2017年もライブに行きましたが、2部構成の今回も完璧でした。act-3でついにロスト・メモリー・シアターも完結。今度はどんな音楽世界を見せてくれるのでしょう。

12 公衆道徳 / 公衆道

韓国の宅録アーティストですが、そのギターの巧さとサウンドコラージュの創造性にびっくりしました。

13 Chris Thile / Thanks for Listening

パンチ・ブラザーズの中心人物であるマンドリンの名手のソロアルバム。年末に聴いたため、滑り込みでランクインしたのですが、もっと早くから聴いていたらベスト1にしていたかもしれません。曲の素晴らしさ、音楽の楽しさと美しさを感じる、本当に大切に聴いていきたいアルバムです。“Thanks for Listening”のフレーズをエンディングで聴いたとき、このアルバムのことが心から好きになりました。


14 Thundercat / Drunk

ポップな魅力が満載。本当にジャンルレスなアルバムですね(ジャケットは怖いけどw)。

15 Shai Maestro Trio / The Stone Skipper

シャイ・マエストロが一皮剥けたと言ったら失礼ですが、緊張感があって、今風で、すごくかっこいいアルバムです。

16 Fabian Almazan / Alcanza

CDがなくてダウンロードだけですが、凄い音楽です。凄すぎて、濃すぎて、要素多すぎて曲も長いし(笑)、聴くのに体力要ります。でも、とにかく力作です。説明になっていませんがw





このほかにも、タイトルだけですが2017年良かったアルバム名を列記します。

・ANTONIO SANCHEZ / BAD HOMBRE
・LUIS LEITE / VENTO SUL
・VITOR GONÇALVES QUARTET / VITOR GONÇALVES QUARTET
・JENNIFER SOUZA / AO VIVO COM MARCUS ABJAUD
・KING GARBAGE / MAKE IT SWEAT
・JITWAM / ज़ितम सिहँ
・HERMETO PASCOAL / NO MUNDO DOS SONS
・RAFAEL MARTINI SEXTET / SUÍTE ONÍRICA
・CHARLES LOYD NEW QUARTET / PASSIN’ THRU (LIVE)
・ARTO LINDSEY / CUIDADO MADAME
・JOVINO SANTOS NETO & ANDRÉ MEHMARI / GURIS CELEBRATING THE MUSIC OF HERMETO PASCOAL
・MEHMARI QUINTETO AGUIRE / SERPENTINA
・VANESSA MORENO / EM MOVIMENTO
・STEFANIA TALLINI | GUINGA / INTIMIDADE
・MACHA GHARIBIAN / TRANS EXTENDED
・BOTTLE TREE / BOTTLE TREE
BILL FRISELL THOMAS MORGAN / SMALL TOWN
CHARLOTTE DOS SANTOS / CLEO
・MIMI TERRIS / DEN STORA SKALAN
・The PLAYlist / CHASING GOOSEBUMPS
・DANIEL CAESAR / FREUDIAN
・JEN SHYU & JADE TONGUE / SOUNDS AND CRIES OF THE WORLD (2015年作)

2018年も素敵な音楽との出会いを願って。今年も皆様よろしくお願いいたします!

※20180220注記: 一部タイトルにスペルミスがあり修正しました。