真夏のJAZZ教室にふらっと寄ってみました
今日は野毛のジャズ喫茶ちぐさに行き、高校生を対象とした「真夏のJAZZ教室」というイベントの後編、柳樂光隆さんの「2000年代以降のジャズについて」を拝聴した。Kris Bowersがジャズピアノの通史を実演する映像の紹介を皮切りに、現代のジャズ演奏家が歴史も含めた正規のジャズ教育を受け、その素地の上で、ヒップホップやポストロック、音響派などさまざまなジャンル、あるいはポピュラーミュージックに接近して新しい種類のコンテンポラリーミュージックを生み出しているさまざまな事例が紹介された。
今日参加した高校生の皆さんは、Kris BowersやRobert Glasper、Jason Moran、Becca Stevens、Brad Mehldauに、J DillaやRadiohead、Björkなども取り混ぜられたこのプログラムを聴いてどう思ったのか非常に興味があるけども、帰り際に一人の女子学生さんが「(前編で聴いた)古いジャズの方が私は好きかも」と話していた(いいよね、自分の感想をちゃんと表明して)。
そのときはたとえピンと来なくても、音楽をずっと好きでいたらいつか、今日の音楽がまったく別の聞こえ方をすることもあるし、こうした機会は彼女たちにとってもいい経験だと思いました。そして同時に、ジャズの裾野を広げ、リスナーを増やすための(地味だけど)とても大事な取り組みだと感じました。
また、大人の私(笑)としても、昨今のジャズミュージシャンのポピュラーミュージックへの接近、彼らの親しんできたコンピューターミュージックの生音による再構築などの動きも整理でき、また、カントリーやフォークなどのルーツミュージックをジャズの和声・リズムによって抽象化する流れの一端も理解できたので大変参考になりました。
また、ちぐさの音響は、アナログ(アコースティック)だけでなくCD音源(エレクトリック)にも対応しているようでヒップホップ系の曲も非常にいい音で聴かせてもらいました。近所なのでまた伺いたいと思います。