日本の旅とTAROと青葉とカタン

さて連休も中盤。今日もじつは音楽関連のイベントに行ってきたのですが、それはまた改めてご報告しましょう。ということで連休前に企画展、4月30日には昼間に岡本太郎展へ、そして夜にはライブを見に行ったので簡単にメモをば。

■日本のデザイン2011 Re: SCOVER NIPPON DESIGN デザイナーが旅する日本。(東京ミッドタウン・デザインハブ第27回企画展)
森本千絵山中俊治、梅原真という現代を代表するデザイナー三氏が、それぞれ兵庫・丹波篠山、鹿児島・種子島、秋田へと旅に出かけ、その土地の良さ・オリジナリティをデザイナーならではの視点から見つめ直し、新しい価値を発見していく。その過程を写真とことばで綴る企画展。
天井から数カ所に吊された透明なビニールのバナーのオモテと裏に、旅先の写真と紹介文が順を追って掲示してあり、それを読みながら観覧者も一緒に旅行している気になる。シンプルながらも気のきいた展示で、それぞれの土地で出会う人や風土、日本らしいこだわりや土地の職人さんの心意気などが伝わってきて、忘れかけていた日本の良さを思い出させてくれるよい企画。震災後の今だからなのかグッときた。6月初旬まで。入場無料。見た後にミッドタウンでお茶もまたよし。


■生誕100年 岡本太郎展(2011.3/8〜5/8 東京国立近代美術館
4/30に行った。NHKのドラマ「TAROの塔」(松尾スズキ主演)が終わってしばらく経つし、そろそろ空いているかと思ったら甘かった。チケット買うまで長蛇の列、さらに買ってからも入場制限付きで、会場内も混雑(節電のせいか人の多さのせいかヒートアップ)。人気の高さを知る。
さて展示の感想。プロローグにあたる最初の部屋こそ、暗闇のなかに最小限の照明で照らされた12点の立体モノが迎えてくれて期待感が高まったものの、次のパリ時代から始まる絵画パートは太郎先生独特の赤の強い絵が多く並びがちで単調に見える。基本的には時系列の展示だが、途中で縄文土器土偶の写真、映像も挿入し、飽きがこないような工夫は一応されている。ただ、例えばもっと書簡や岡本かの子、一平、あるいは関係のあった画家や作家たちの紹介も交えて多角的に展示を構成してもらえたらもっと良かったのではなかろうか。個人的には『重工業』という作品を見たかったのだが、なんと展示期間がすでに終わっていた(これが不満の原因? 笑)。いつか川崎市岡本太郎美術館に見に行かねば。
それでも、太陽の塔の50分の1モデルや構想スケッチは生で見ると感慨深い。吹田市出身の家人にとっては特にそうであったろう。そういえば大阪万博、私は当時小学2年生だったが転居のタイミングと重なったこともありこの画期的なイベントを実体験することはなかったのである。残念な話。
(写真:注)メキシコのホテルの壁画として描かれた『明日の神話』 今は渋谷駅のコンコースに移設されている。岡本太郎展ではこの絵の原画(油彩:ミニチュアでも結構大きかった)が展示されていた。

■青葉市子&日比谷カタン西荻サンジャック)
同じく4/30、夕方に中央線の西荻窪へ移動。前々から個人的に注目していたシンガーソングライターお二人のジョイントライブを見た。青葉さんの内的世界(ほぼ一人語りオンリーの世界)に、カタン氏の作り込まれた変態メタ歌詞世界がどう絡むのかと思いきや、これがですね、けっこういい具合に融合してましたわ。一人一人の歌ももちろん好きだけど、聴き続けていると両者ともにTOO MUCH!と感じる瞬間があるのだが、ジョイントした第三部ではそのあたりがほどよい緊張感で進行して楽しかったわね。声もよく合うし、この共演はなかなか良いのでは? 最初は相対性理論のカバー、最後はYMOのメドレーというサービスぶり。それにしてもカタン氏のカッティングは凄かったです。
会場は小さめなので椅子席が並ぶともう立ち上がることも不可能。座っているのに足腰に来るライブだったが(笑)、いいもの見させてもらいました。