Rufus Wainwrightはスティル・モーニン

先週は10/5にRufus Wainwrightの来日公演(JCBホール)に行った。ピアノのみのソロライブだったが、1部は最新アルバムAll Days Are Nights: Songs For Luluのほぼフル演奏でしかもRufusからの希望でステージ登場から退場まで拍手と喝采いっさいなしという演出。素晴らしい楽曲なのに拍手ができず観客も固唾を呑むといった感じで、隣に座っていた若い人は第1部が終わったとたんに「はあーーー!」と大きなため息。こんな不思議な緊張感ははじめて。それにしても、そんな静まりかえった会場にも携帯電話のコール音が鳴った時があって、後ろの席の女性はひと言「サイテイ」。
休憩の間、ロビーでいろんなミュージシャンをお見かけした。さすがミュージシャンズ・ミュージシャンのRufus。観客の年齢層も国籍も非常に幅広い。
第2部はうって変わって彼のMCもオネエ言葉全開で、拍手も歓声も自由。前半で抑圧されていた観客も解放された感じで、会場の温度もぐっと上がった。しかし、ステージにはDVD『ミルウォーキー・アット・ラスト』に見られたような祝祭感はなく、ピアノによる独唱はどことなく静かな印象。やはり今年初めに母親を亡くした影響だろうか。終演後に外国人の観客(女性)が“Ah, He's still mourning”と感想を述べていたが、そんな感じなのだ。名盤Release The Starsからの楽曲も少なめで、ポップスターとしてのRufusのカムバックを待つにはもう少し時間が必要なのかもしれない。
ということで現代の天才SSW、未体験の方はぜひDVDで彼の素晴らしい曲と歌唱を聴いてみてください。
All Days Are Nights: Songs for LuluWant Two (CD / DVD combo)Release the StarsMilwaukee at Last (W/Dvd) (Dlx)